朝食をいただいた上、弁当、飲み物、お菓子を持たせてもらって、一晩お世話になったＫさんのお宅を出発する。せっかく島に来たので、一周してみることにした。
　まず瀬戸内海の島々を眺めながら北へ走る。みかん山の峠を越えると、目の前に大三島が見えてきた。島四国の１番霊山寺を参拝した。宮窪町に入り、大三島と伯方島を眺めながら今度は東へ向かって走る。この辺りは石工場が多い。伯方大島大橋の下をくぐって、宮窪港に着いた。ここから国道317 号を南下して、下田水港を目指す。峠を越えて、再び、吉海町に入る。役場前を通過し、また峠を越え、下田水港に着いた。港は第２土曜日ということで、今治へ行こうとする人が多い。15分間の船旅を楽しんで、お遍路さんに復帰した。

島四国の１番霊山寺

建設中のしまなみ海道

　今治港からの道を直進して、56番へ向かう。国道11号を越えたところに、56番泰山寺はあった。境内の建物はすべて新しかった。この日は宿坊で何かの集会があるようで、外国人が多数訪れていた。秋の柔らかな日差しを浴びながら、田園地帯を走る。遍路道表示に従って、あぜ道を走り、やや高台にある５７番栄福寺に到着。ここで朝作っていただいた弁当を食べた。
　さらに遍路道表示に従って、高台にある５８番へ向かう。途中の「この先車両通行不可」の看板を無視してあぜ道を走り続けた。ここで言う「車両」とは自動車のことであって、自転車は通行できると判断したからだ。次第に登山道のようなシングルトラックになってきた。ダート道を走ることしばし、遂に目の前に「この先車両通行不可」の理由が現れた。３ｍほど上の道路に登るための階段。やはり「この先車両通行不可」であった。自転車を持ち上げようにも荷物が重いので、無理だった。仕方なく、サイドバックをはずして、何とか自転車を階段の上まで持ち上げた。そこは、５８番へ向かう車道だった。
　みかん山の中を走る狭い道。境内まで車道が続いているそうだが、仁王門前に自転車を置いて、境内まで歩くことにした。５８番仙遊寺の境内は木々に覆われていて、木々の間から何とか今治市内を望むことができた。仙人が遊んだという雰囲気を味わい、山を一気に下った。次は予讃線そばの５９番国分寺。
　この日は、桜井海岸でテントを張ろうと思っている。伊予桜井駅に寄ったあと、海岸沿いの道を走る。海岸は家族連れの釣り人が多い。テニス場を通り過ぎ、グラウンド、広場などがある公園が現れた。ここでテントが張れそうだと思いつつ、桜井海岸の端まで行ってみる。ゴーストタウンのような「岩風呂」を過ぎて、東予国民宿舎のキャンプ場に入ったが、予約がいるようなので、先ほどの公園に戻ることにした。公園にはキャンプ場があって、ロッジ型テントを張っている先客がいた。わたしは炊事場の近くにテントを張った。西条市付近の海岸の明かりを見ながら、夕食を取った。

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