朝、目を覚ますと、雨が降っていた。今日中に帰宅するのは難しいようだ。Ｎさん宅で朝食をいただいた上、お金とテレホンカードを渡されて、10時頃、雨が止んだのを見計らって出発する。法隆寺に寄ってみたかったが、雨なので、先を急ぐ。
　国道25号を東に走る。再び降ってきた雨の中を走り、天理市に入った。さすが天理教の街、雰囲気が違う。12時前、天理駅に着き、雨宿りをする。夏には全国から信者が集まるそうだ。そのため、天理駅の構内はとても広い。天理教の黒の法被を着た人が目につく。昼食をとって、天理教の青年２人によるパフォーマンスを見て、13時頃、駅を後にする。
　天理教本部前を通り、名阪国道でない国道25号に入る。狭い山道。集落を抜けると、登りになり、自転車を押して、天理ダムの上まで登る。さらに登りが続く。小雨の中、山道を走る。名阪国道福住ICを越え、ここから名阪国道と絡み合いながら進む。
　そろそろ今日の泊まるところが気になる。寒村が続くので、宿を見つけることは難しい。野宿するつもりで、郵便局などで泊まれるところはないかたずねてみた。都祁村の針集落に神社と寺があると聞いたので、そこに期待する。神社を見つけ、近くのおばさんに管理している人のお宅を聞く。そのお宅へ行く途中、寺を見つけたので、寺に泊まれないか聞いてみる。しかし、村のものと言うことで、断られてしまった。神社に望みをかけて、神社を管理しているお宅を訪ねる。しかし、ここでも断られてしまった。どこに泊まるか決まらないまま、次の小倉集落へ行ってみる。小倉集落の「勝井商店」で泊まれるところはないかたずねる
。しかし、よい答えはない。いろいろ考えて、この商店の敷地内に見つけた空き地にテントを張らせてもらうことにした。これほど泊まる場所を見つけるのに苦労したのは初めてだ。
　

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