四国八十八カ所徒歩遍路記④（02. 3.27～02. 3.30）
第１日目＜３月２７日（水）＞
《高知駅→》安田明神バス停（安田町）→民宿住吉荘（夜須町）
　夜行列車で高知入り。すぐさま室戸岬行きバスに乗り換えた。今日明日歩くであろう道を下見しながらバスに揺られる。バスの中から歩き遍路を何人か見かけることができた。今年も歩き遍路は健在だ。
　９時頃、昨年、とぎれた安田明神バス停に降り立った。去年と変わらぬ待合室で白衣をまとい、足の裏にしっかりテーピングテープを貼って、いざ出発。春の陽気が心地よい。すぐに安芸市に入った。道の駅でひと休み。高知市方面への展望がよい。
道の駅から高知方面を臨む

　河野から伊尾木まで堤防の上を歩く。前にも後ろにもお遍路はわたししか居ない。みんな同じ方向へ同じスピードで進んでいるので、なかなか出会えるものではないのだが。安芸川橋を渡ると、安芸市市街に入る。田舎道を歩くより、街中の道を歩く方が楽しい。昼食時なので、どこか食べるところはないか、探しながら歩く。市街地の西の端付近でお好み焼き屋があったので、入る。テレビのニュースでは、辻本清美議員の辞職のことを伝えていた。
　津久茂町辺りから土佐電気鉄道安芸線の廃線跡を活用した自転車専用道を歩くことにする。お遍路さんどころか自転車も通らない。１人黙々と歩く。途中の番外霊場八流山極楽寺に寄ってみるが、犬にほえられたので、退散した。赤野休憩所で小休止。
　芸西村に入ると、松林の中の道に変わった。ここまで足に違和感はないが、初日なので、歩きに慣れておらず、すぐに疲れがたまる。砂浜の道に出たところで堤防に腰をかけて小休止。ふと海に目をやると、お遍路らしき男性が１人海に向かって体育座りをしていた。
青年は海に向かって何を思う

　彼はぴくりともしないが、わたしは先を急ぐ。自転車遍路の時、一夜を過ごした海辺の公園で昔を懐かしむ。当時とあまり変わっていないようだ。ここで歩き遍路の若者に追い越された。先ほどの彼だろうか。
　今日の宿までは、ここから３㎞ほど。ラストスパート。自転車道とイコールの遍路道に沿って、３ヶ月後に開業を控えた土佐くろしお鉄道の高架線が続いている。試運転が始まったようで、鉄道施設はほぼ完成したようだ。
　夕方の日差しに照らされながら、夜須町に入り、本日の宿、民宿住吉荘に着いた。今回は足を痛めることなく初日を終了した。先ほど公園で先を越された若者も同宿であった。話をすると、先ほど海でたたずんでいたのも彼だったとのこと。

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